本日のWhiteboard Conference
- Hajime
- 2018年12月17日
- 読了時間: 2分

アルコール多飲歴があり昼間からの飲酒習慣のある30代男性.
3日前に飲酒を中断,その後発汗,振戦を認めるようになり,当日から倦怠感,嘔吐,脱力,頻呼吸を認めるようになったため救急外来を受診.
Key word: アルコール中断後,急性に生じた発汗,振戦と嘔吐,頻呼吸
こういった病歴が聴取された場合において,発汗と振戦からは(アルコール性ケトアシドーシスに伴う)低血糖もしくはアルコール離脱症候群の可能性が考えられます.
低血糖であれば食事で改善するはず,アルコール離脱症候群であれば飲酒で改善するはずですね.症状が始まった後の経過について確認しましょう.
アルコール離脱症候群だけでは頻呼吸は起こらないはずなので,どちらかと言うとアルコール性ケトアシドーシスが疑われます.しかしこういった方ではビタミンB1欠乏によるWernicke脳症→乳酸アシドーシスを合併している可能性も考えなければなりません.
初期対応としては,急いで血ガスを取りつつも診るポイントとしては ・バイタルサイン ・眼球運動障害や失調があるか,反射の低下がないか を確認します.
血ガスではpH 7.25, HCO3- 4と著明な代謝性アシドーシスあり.Anion gapの開大を認め,ΔAG/ΔHCO3-<1であることからケトアシドーシスの存在が示唆され,アルコール性ケトアシドーシスと診断しました.ただしアルコール離脱症候群,Wernicke脳症の合併も否定できず.
ビタミンを補充しつつ糖入りの補液を開始します.
アルコール離脱予防も忘れずに.
<症例のpoint> ・飲酒中断後の状態悪化はアルコール離脱症候群かAKA ・症状が経過中に改善した場合,どのような介入によって改善したかを確認する ・血液ガスの解釈
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