本日のWhiteboard Conference
- Hajime
- 2018年3月26日
- 読了時間: 2分
60代女性
一週間前からの全身倦怠感,臀部の痛み,4日前からの嘔気で救急外来を受診.
2型糖尿病でインスリンを使用していたが,数年前に自己中断している.
動脈血ガス分析でanion gap開大性の代謝性アシドーシスがあり,尿ケトン陽性であることから糖尿病性ケトアシドーシスはありそうですが,診断はこれでよろしいでしょうか??
身体所見を取ると臀部に硬結を触れ,圧痛を伴っていました.
血液検査ではCRPが20mg/dl.
そうです.DKAでは誘因を考えるのが大事なのでした.
では
臀部の皮膚軟部組織感染+DKA
でよろしいでしょうか??

この方は心電図を取るとⅡ,Ⅲ,aVF誘導でST上昇を認め,下壁梗塞の診断で緊急PCIとなりました.
診断:臀部皮下膿瘍+急性心筋梗塞+DKA
DKAは血管障害(脳梗塞・心筋梗塞),感染症,膵炎,薬剤が原因となって起こることがあります.
DKAをみたら必ず原因検索を行うようにしましょう.
なおDKAのほとんどはⅠ型糖尿病の人に起こりますが,10-30%はⅡ型の人にも起こると言われています.
またフォーカス不明の発熱(炎症反応)をみた場合は必ず下着も外していただき,陰部周囲の皮膚軟部組織感染症,男性なら精巣上体炎や前立腺炎(直聴診も忘れずに!)を見落とさないようにしましょう.
<本日のClinical Pearl>
・糖尿病性ケトアシドーシスをみたら必ず誘因(血管障害,感染症,膵炎,薬剤)を検索する!
・フォーカス不明の発熱をみたらパンツを脱がせよ!
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